鶏卵、砂糖、小麦粉を用い、
薄く焼き上げた煎餅で
表面には絲印の印影を
焼きつけています。

明治三十八年、
天皇陛下の伊勢神宮ご参拝に際し、
献上菓子として創作いたしました。

明治、大正、昭和、平成と
天皇皇后両陛下並びに各皇族殿下に
献上及びお買上げいただいております。
絲印煎餅





絲印について

絲印とは、室町時代以降中国からわが国に輸入された生糸に
添付されていた銅印のことをいい、
小さな鈕(ちゅう)のついた印です。
この輸入生糸の一荷には、必ず銅印一個をつけ、
わが国に到着した後その斤量をあらため、
受領証書にこの印を押して、
取引の証とする優雅な風習がありました。
しかも、一荷ごとにつけてある印は、
印面も形もそれぞれ異なり、
印文も取引用語を抜きにして、
弄花吟月、愛春惜秋等の風流語や、
判読しにくい謎のような文字、絵、文様などが
風雅に表されていました。
また、鈕には人物、動物等を鋳出し、意匠も種類も雑多で、
明時代の精巧な鋳金術をそのままに、
小さいながら当時の工芸美術品の代表的なものと言えます。
太閤秀吉もこの絲印を愛し、
公文書に押す自らの朱印もいくつか秘蔵していた中の
最珍品を用いたと伝えられています。


絲印

絲印

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